子どもと一緒に学ぶプログラミング~ボランティア講師で気づいた3つの宝物~

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地元小学校でのプログラミング講師体験から見えた3つの学び。子どもたちの純粋な疑問、教えることで深まる理解、そして成功の瞬間を共有する喜びについて、技術者の視点で綴ります。

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はじめに

実はですね、最近地元の小学校でプログラミングのボランティア講師をする機会をいただきました。正直なところ、「自分で精一杯なのに、子どもたちに教えられるのかな」と不安でいっぱいだったんです。でも、妻から「あなたの経験を活かせる良い機会じゃない?」と背中を押してもらい、思い切って参加することにしました。

結果として、想像以上に多くのことを学ばせてもらったのですが、特に印象的だった3つのことについて書いてみようと思います。皆さんも似たような経験はありませんか?教える立場になって、逆に教えられることの多さに驚いた経験とか。

1. 「なぜ?」の力が教えてくれた本質

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一つ目は、子どもたちの純粋な「なぜ?」という疑問から学んだことです。

講義で「forループ」について説明していた時のことでした。10歳くらいの男の子が手を挙げて「なんで同じことを何回もやらせるの?人間だったら面倒くさいじゃん」と質問してきたんです。その瞬間、ハッとしました。普段当たり前に使っているループ処理の「なぜ」を、実は自分もちゃんと言葉にできていなかったんです。

家に帰って中学生の息子にその話をしたら、「確かにそうだよね。僕も最初プログラミング始めた時、同じこと思った」と言われて、改めて基礎の大切さを感じました。大人になると、効率性や合理性を当然として受け入れてしまいがちですが、子どもたちの「なぜ?」は、技術の本質的な価値を再確認させてくれるんですね。

それからというもの、仕事でコードを書く時も「これは本当に必要な処理なのか?」「もっと分かりやすい書き方はないか?」と自問するようになりました。皆さんも、普段の作業で「なぜ」を問い直すことはありますか?

2. 教えることで見えた自分の理解の浅さ

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二つ目は、教えるという行為が自分の理解を深めてくれたことです。

変数の概念を説明する時、いつものように「データを入れる箱のようなもの」と説明したのですが、ある女の子から「箱だったら中身を取り出したら空っぽになるよね?でも変数は中身がなくならないよ?」と鋭い指摘を受けました。

正直、その場では「うーん、そうですね...」と曖昧に答えてしまったのですが、家で保護猫ちゃんを撫でながら考え込んでしまいました。普段何気なく使っている比喩が、実は不正確だったんです。妻に相談すると「あなたらしい悩み方ね」と笑われましたが、「でも、そういう真摯さが良いところよ」と励ましてもらえました。

その後、変数については「ラベルの付いた透明な容器で、中身を見ることも変えることもできるもの」という説明に変えました。教えるために必要な「分かりやすい言葉で表現する」という作業は、自分自身の理解をより深く、より正確にしてくれるんだなと実感しています。

皆さんは、誰かに説明することで自分の理解が深まった経験はありますか?

3. 小さな成功の瞬間に立ち会える喜び

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三つ目は、子どもたちの「できた!」の瞬間に立ち会えることの素晴らしさです。

最後の授業で、簡単なゲームを作る課題に取り組んでいた時のことです。一人の子が「先生、動いた!」と大きな声で叫んだんです。画面の中で小さなキャラクターがちょこちょこ動いているだけなのですが、その子の目はキラキラと輝いていました。

その瞬間、自分が初めてプログラムが動いた時の感動を思い出しました。20年以上前のことですが、確か大学の授業で「Hello, World!」が表示された時の、あの何とも言えない感動です。技術的には簡単なことでも、「自分が書いたコードで何かが動く」という体験は、年齢に関係なく特別なものなんですね。

帰り道、保護犬ちゃんの散歩をしながら考えていたのですが、プログラミングって結局「小さな魔法」なのかもしれません。論理的思考も大事ですが、「自分で何かを作り出せる」という創造の喜びがあるからこそ、多くの人がこの分野に魅力を感じるのかなと思います。

皆さんも、誰かの成長の瞬間に立ち会って、自分も嬉しくなった経験はありませんか?

おわりに

ボランティア講師の経験を通して、教える側が学ぶことの多さに改めて驚きました。子どもたちの純粋な疑問、教えることで明らかになる自分の理解の甘さ、そして成功の瞬間を共有できる喜び。これらはすべて、技術者として、そして一人の人間として大切な宝物になったと感じています。

技術の世界では日々新しいことを学び続ける必要がありますが、たまには教える側に回ってみるのも良いかもしれませんね。きっと思いがけない発見があるはずです。

皆さんも、もし機会があれば、ぜひ自分の知識や経験を誰かと共有してみてください。そこから得られるものは、想像以上に大きいと思います。どのような体験をされたか、もしよろしければコメントで教えていただけると嬉しいです。

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