子どもに「パパの仕事」を説明できますか?――コードと日常をつなぐ言葉の探し方
中学生の息子から「プログラマーって結局何してるの?」と質問され、専門用語ではなく日常の言葉で仕事の本質を伝えることの大切さを学んだ体験について書きました。

はじめに
皆さんは、お子さんから「お父さん(お母さん)の仕事って何してるの?」と聞かれたとき、どのように答えていらっしゃいますか?
先日、中学生の息子から「プログラマーって結局何作ってるの?」と質問されたんです。いつも「コンピューターのプログラムを書いている」と言っていたのですが、息子は「それで何ができるようになるの?」と更に突っ込んできました。
その瞬間、ハッとしたんですね。自分の仕事について、技術的な説明はできるけれど、それが実際に誰の役に立っているのか、どんな価値を生み出しているのかを、身近な言葉で説明できていないことに気づいたんです。
皆さんも似たような経験はありませんか?専門的な仕事をしていると、ついつい業界用語や技術的な説明に頼ってしまいがちですが、本当に大切なのは「なぜその仕事をしているのか」を伝えることなのかもしれませんね。
専門用語の落とし穴

改めて考えてみると、私たち技術者は日常的に専門用語に囲まれているんです。「API」「データベース」「フレームワーク」といった言葉を当たり前のように使っているのですが、これらの言葉は一般の方には全く意味が通じないんですね。
例えば、息子に「今日はReactでコンポーネントを作った」と言ったところで、「?」という顔をされるだけなんです。でも、「今日はウェブサイトの部品を作って、お客さんが使いやすいボタンを設計したんだよ」と言い換えると、「あ、そういうことか」と理解してもらえるんですね。
妻とも話したのですが、「専門性が高い仕事ほど、本質を簡潔に説明するのは難しい」ということなんです。でも逆に、本質を理解していれば、どんな複雑な仕事でも分かりやすく説明できるはずなんですよね。
ここで気づいたのは、子どもに説明できないということは、もしかすると自分自身が仕事の本質を十分に理解できていないのかもしれないということでした。皆さんはどう思われますか?
日常の言葉で仕事を表現してみる

そこで、息子への説明を通して、自分の仕事を日常の言葉で表現し直してみることにしたんです。
「プログラマーの仕事は、コンピューターに『こういう時はこうして』という指示書を書くことなんだよ。例えば、君がゲームのアプリを使う時、『このボタンを押したら次の画面に進む』『間違えたらやり直しできる』といった動きがあるでしょう?それ全部、誰かが書いた指示書の通りにコンピューターが動いているんだ」
すると息子は「へー、じゃあパパが書いた指示書で動いているものもあるの?」と興味を示してくれたんです。そこで、普段から使っているウェブサービスや、地域の情報サイトなど、身近な例を挙げて説明してみました。
保護犬ちゃんが散歩から帰ってきて、私たちの会話を聞いていたかのように尻尾を振っていたのが印象的でした。きっと「パパが何か楽しそうに話している」ということは伝わったんでしょうね。
実はこの経験を通して、「相手の立場に立って説明する」ということの大切さを改めて感じました。技術的な正確性も大切ですが、まずは相手が理解できる言葉で話すことが、コミュニケーションの第一歩なんだなと思います。
仕事の「意味」を伝える

単純に「何をしているか」だけでなく、「なぜそれをしているのか」「誰の役に立っているのか」を説明することで、子どもたちの理解は格段に深まるんですね。
息子に「パパの作ったプログラムで、おじいちゃんおばあちゃんがインターネットで買い物しやすくなったり、お母さんが仕事で必要な情報を早く見つけられるようになったりしているんだよ」と話すと、「すごいじゃん!」と言ってくれました。
その時、技術そのものではなく、技術を通して人の生活を便利にしたり、困っている人の問題を解決したりすることに価値があるんだということを、息子に伝えられたような気がしたんです。
保護猫ちゃんも、私たちの話を聞いているかのように、膝の上に飛び乗ってきて、なんだかほっこりした瞬間でした。きっと家族の会話が弾んでいることを感じ取っているんでしょうね。
考えてみると、これは仕事に限った話ではないかもしれません。自分が大切にしていることや、日々取り組んでいることを、身近な人に分かりやすく伝えられるかどうかは、自分自身の理解の深さを測る指標でもあるような気がします。皆さんはどのように感じていらっしゃいますか?
おわりに
今回は「自分の仕事を子どもに分かりやすく説明する」ということについて書きました。
息子との会話を通して、専門用語に頼らず、日常の言葉で仕事の本質を伝えることの大切さを学びました。そして、「何をしているか」だけでなく、「なぜそれをしているのか」「誰の役に立っているのか」を伝えることで、相手の理解と共感を得られるということも分かったんです。
皆さんも、ぜひお子さんやご家族に、ご自身の仕事について話してみてください。きっと新しい発見や気づきがあるはずです。そして、もしよろしければ、どのような説明をされたか、どんな反応があったかを教えていただけると嬉しいです。
家族との何気ない会話から、仕事への向き合い方や、コミュニケーションのあり方について考えを深めることができて、とても有意義な時間でした。これからも、技術と人間性のバランスを大切にしながら、日々の学びを続けていきたいと思います。
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